ジルコニア(酸化ジルコニウム)

ジルコニアセラミックスの特徴・物性・用途などについて

高い靭性をもつ、機械的強度に優れたセラミックス

ジルコニア画像

名称ジルコニア (酸化ジルコニウム)

英名Zirconia (Zirconium Oxide; ジルコニウムオキサイド)

化学式ZrO2

備考正確には二酸化ジルコニウム。 白色又は、透明感のある白色。

 

ジルコニアセラミックスの特徴

ジルコニア(ZrO2)は靭性が高いセラミックスとして知られ、機械的強度も高いため刃物や工具などにも使用される、酸化物系セラミックス。 

純粋なジルコニアは、温度変化によって結晶構造が変化し、体積変化も伴うため、劣化しやすい。 
これを補うため、安定化剤を添加し、体積変化を抑えた安定化ジルコニア。  安定化剤を少なくし、完全には安定させず、部分的に不安定な結晶を配置することによって、粘りのある強い靭性を示す部分安定化ジルコニアPSZ; partially stabilized zirconia)がある。 (下記 ※1 参照)


高強度・高破壊靱性

常温においては、機械的強度は最も強いセラミックス。 アルミナに比べても、高強度であり、破壊靭性(破壊に対する抵抗力、粘り強さ)などの機械的特性に優れる。
→ 刃物、ノズル、スペーサー、インプラントとしても使用されている。

熱的特性に優れる

融点2700℃、最高使用温度約1200℃、耐熱衝撃性はΔ400℃と高く、熱伝導率が他のセラミックスに比べてかなり小さい。 → 耐火材、断熱材として使用される。

熱膨張率が大きい 鉄と同程度の熱膨張率なので、エンジンなどの熱環境下で、金属と組み合わせて使用する事が可能。 (熱膨張の差によって割れたりする事がない。※他のセラミックスの熱膨張率は、金属の数十分の一。)

耐薬品性

薬品に対して侵されにくいが、一部の酸と塩基に侵食される。 フッ化水素酸(フッ酸)に対しては激しく侵され、水酸化ナトリウム、硝酸、塩酸にも微量に侵食される。

イオン伝導性 (ジルコニア中の酸素は移動しやすい)

特にPSZでは、安定化剤の影響で酸素空孔が形成され、電圧がかかると酸素イオンが移動し電流が流れる。 このような性質があるため、ジルコニアは酸素センサーなどに利用されている。 また、低酸素濃度環境下で用いると、酸素が出て、ジルコニウム(金属)が多くなり、物性に変化が表れる。
即ち、電気抵抗が低くなり、導電性を帯びる。 (高温、低酸素環境下で表れる。)
※注意点: 電気絶縁目的での使用には注意が要る。


※1) 純粋なジルコニアと安定化ジルコニア・部分安定化ジルコニア

通常のジルコニアは、常温から高温に移行する際に、結晶構造が変化し、体積変化を起こす。(常温で単斜晶→高温で正方晶または立方晶へ相転移) そのため、温度変化を繰り返すと、壊れてしまう。

このような不安定なジルコニアに、安定化剤として希土類酸化物(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウムなど)を添加すると、室温中でも正方晶または立方晶が安定化し、温度変化によっても破壊を抑えることができる安定化ジルコニアとなる。

更に、安定化剤を抑え、安定化部分と不安定な部分を混在させた部分安定化ジルコニアは、亀裂ができた際にその周辺の結晶が単斜晶に変わり(応力誘起変態)、応力が緩和される結果、亀裂の進展が抑えられる。


その他

立方晶ジルコニアは、ダイヤモンドに似た屈折率をもち、模造ダイヤと呼ばれ、宝石としても用いられている。



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