セラミックスの基礎知識

セラミックスの歴史 セラミックスの基礎

セラミックスの始まりから、現代のセラミックスに至るまで。

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セラミックスの歴史について

ここでは、セラミックスの歴史を土器のはじまりからみていきます。 現代に至るまでを大きく3つの世代に分けて、各世代におけるセラミックスの特徴を簡単に説明します。

土器の始まりからみるセラミックスの歴史

第1世代

天然素材(粘土)よりつくる焼き物の時代

焼成温度:約800℃
縄文式土器、弥生式土器など
※日本最古のものは約15600年前。世界最古級。
焼成温度: 約1100-1300℃
瀬戸焼、伊賀焼など。
※素地に吸水性(釉薬を使用)、透光性なし、厚く重く、叩くと鈍い音。
焼成温度: 約1300℃
有田焼、伊万里焼など。
※素地に吸水性なし、透光性あり、薄く軽い、叩くと金属音。
第2世代

天然原料を精製し、工業的にセラミックスを生産する時代

明治時代~

ドイツ人ワグネルらを招き、(産業革命で発達した)ヨーロッパの先進陶磁器製造技術を吸収。
セメント工業、ガラス工業も発達し(製鉄も)、伴って耐火物の生産も質・量ともに向上。
※ この時期の代表的セラミックスは、碍子と自動車用スパークプラグ。

第3世代

高純度化した人工原料で、機能性セラミックスを的確に生産する時代

1940年代~(1980年代より急速に発達)

原料を高純度化させ、その組成・組織・形状や製造工程を精密にコントロールする事によって、 的確に求める機能や特性を発現させたセラミックス(ファインセラミックス)を工業製造する技術が発達。

エレクトロセラミックス: 電気特性に優れた電子部品となるセラミックス。
バイオセラミックス: 生体親和性を高めた人工骨、インプラントなど。
エンジニアリングセラミックス: 各種工業製品・機器の中に組込まれるセラミックス。


補足

土器 6000~7000年前のヨーロッパにおいて、生産技術が高度になっていた。
陶器 5000~7000年前のエジプト墓跡より発見。 中国で4700年前に初めて製造。 日本は鎌倉時代から盛ん。
磁器 中国の唐代で青磁、宋代で白磁の技術が完成。 12世紀に朝鮮へ。江戸時代初期より日本でも。

ガラス 7000~9000年前に製造が始まる。11世紀にベニスで量産。
17世紀技術が向上、18世紀に欧州各地でガラス工場ができ、量産。19世紀、原料を工業生産。
日本では、1670年にオランダから製法伝来。板硝子1909年~。光学硝子1917年~。

セメント 1824年イギリスでポルトランドセメントの特許。日本では1875年よりセメント工業。


【参考文献】
「わかりやすいセラミックスのはなし」(日本実業出版社)
「これだけは知っておきたいセラミックスのすべて」(日刊工業新聞社)